2007 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の生活機能向上および転倒予防のための複合課題トレーニングの開発
Project/Area Number |
19700543
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池添 冬芽 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (10263146)
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Keywords | 高齢者 / トレーニング / 転倒予防 / 介護予防 / 体力 |
Research Abstract |
高齢化が進み、虚弱高齢者や要介護高齢者が急増している我が国において、高齢者でも積極的に身体機能や認知機能の改善をはかり、転倒を予防し、日常生活の自立を保つための対策を確立することが重要な課題となっている。本研究では高齢者の生活機能向上および転倒予防のための複合課題(dual task)トレーニングの開発を目的として、複合課題(dual task)能力と、生活機能、運動機能、認知・精神機能および転倒状況との関連性について分析した。静的バランス能力として重心動揺計測、動的バランス能力としてステッピングテストを実施し、これらバランス能力(single task)とバランス課題に認知課題を加えた二重課題(dual task)能力を評価して、高齢者と若年者との比較を行った。その結果、若年者ではdual task下で静的バランス能力は低下しないが、動的なバランス能力は有意に低下し、高齢者においては静的バランス・動的バランスともにdual taskでは有意に低下した。さらに高齢者を転倒群と非転倒群とに分類し、バランス能力(single taskおよびdual task)、日常生活動作、認知機能との関連について検討を行った結果、静的バランスではsingle task、dual taskともに転倒群と非転倒群との間に有意差はみられなかった。一方、動的バランスではsingle task、dual taskともに非転倒群より転倒群で有意な低下が認められた。このことから、ステッピングテストのような動的バランス課題ではdual taskだけでなく、single taskでも十分に転倒予測が可能であることが示唆された。
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