2007 Fiscal Year Annual Research Report
百歳超高齢者の身体的、体力医学的特性と健康に関する研究
Project/Area Number |
19700544
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
荒川 雅志 University of the Ryukyus, 法文学部, 准教授 (70423738)
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Keywords | 超高齢者 / 体力医学 / 睡眠 / 自律神経 / QOL / 百歳 / 生活習慣 / 疫学 |
Research Abstract |
ベースラインデータ解析として、人口10万人あたり百歳者率で全国一の沖縄をフィールドに1992年度からこれまでに百歳を迎えた者全数を対象とした疫学データ(沖縄新百歳者研究:ONCHS)の統合分析を実施し、体力、身体的特性および循環器系疾患と生活習慣との関連について多変量ロジスティック回帰分析をおこなった。統合分析総数は1,783名であった。 一方、体力医学検査では、Barthel IndexによるADLレベル判定から訪問測定の実施が可能な百歳者をスクリーニングし、体力医学、身体生理機能に関する予備的検査を実施した。評価項目は被験者特性を鑑み身体的負担を極力減らすよう非侵襲的測定法を採用した。身体計測(身長、体重、体脂肪、骨格筋量、骨密度、関節可動域)、体力テスト等に加え、携帯型心電計を装着し心電図R-R間隔の時系列データからMemCalc周波成分解析により自律神経機能の定量的判定をおこなった。また3次元加速度計を連続装着し身体活動量、睡眠判定をおこなった。疫学調査解析の結果、百歳者の睡眠障害有症率は型別に、入眠障害24.9%、熟眠障害13.2%、早朝覚醒16.2%であること、採用した全因子を補正した多変量ロジスティック回帰分析により、高血圧既往と入眠障害のみに有意な正の関連が認められることを明らかにした(オッズ比:1.73,95%CI:1.07-2.79)。一方、体力医学検査では、被験者の負担を考慮し侵襲的測定法を採用したが、被験者及び介護者の負担感が予想以上に高く、測定機器の変更および測定項目を再度検討し本調査に臨むこととした。居住背景、遺伝的背景において均質な集団で評価した本研究より、超高齢者の体力医学的、生活習慣特性が見出されることが示唆された。
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