2007 Fiscal Year Annual Research Report
閉経後女性の骨密度低下抑制に対するカルシウム摂取と生化学指標との関連
Project/Area Number |
19700554
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Research Institution | Nagoya Bunri University |
Principal Investigator |
後藤 千穂 Nagoya Bunri University, 助教 (90367855)
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Keywords | 骨密度 / 閉経後女性 / カルシウム摂取量 |
Research Abstract |
高齢社会における骨粗鬆症対策は、医学的に、また、社会的に重要であるが、解決すべき課題が多く残されている。そこで本研究は、閉経後の高齢女性を対象に、骨密度とカルシウム摂取量および生化学指標の関連について検討した。 本研究では、2006年に某体操教室に通う地域在住の高齢女性を対象にベースライン調査を実施し、質問票による生活習慣調査とともに、4日間の秤量法食事調査、身体計測、採血、採尿(測定当日の第2尿,早朝空腹時に採尿)を行った。骨密度は橈骨をDXA法で測定した。骨代謝マーカーは、尿中のI型コラーゲン架橋Nテロペプチド(NTx)およびデオキシピリジノリン(DPD)を測定した。喫煙習慣のある対象者を除外し、運動習慣のある高齢女性の骨密度について解析した結果、骨密度が20〜44歳の若年成人平均値(YAM)の70%未満の骨粗鬆症群は37.5%、YAMの70%以上80%未満の骨量減少群は22.5%、骨密度がYAM80%以上で、NTxおよびDPDがカットオフ値以下の骨量正常群は22.5%であった。骨折のリスクが高いと考えられる骨量減少群および骨粗鬆症群と比較して、骨量正常群のBMI、閉経後の経過年数、摂取栄養素等に差は認められなかった。しかし、骨密度正常群を除外した骨粗鬆症群および骨量減少群では、骨密度とカルシウム摂取量に正の相関(r=0.315,p<0.05)がみられた。本研究において、これまでのところ、運動習慣のある地域在住の高齢女性の骨粗鬆症予備軍においても、カルシウム摂取を勧奨する必要性が示唆された。今後はフォローアップ調査から、骨密度とカルシウム摂取量および生化学指標との関連について、更に検討する必要がある。
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