2008 Fiscal Year Annual Research Report
閉経後女性の骨密度低下抑制に対するカルシウム摂取と生化学指標との関連
Project/Area Number |
19700554
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Research Institution | Nagoya Bunri University |
Principal Investigator |
後藤 千穂 Nagoya Bunri University, 健康生活学部, 助教 (90367855)
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Keywords | 骨密度 / 閉経後女性 / カルシウム摂取量 |
Research Abstract |
高齢社会における骨粗鬆症対策は、医学的に、また社会的に重要であるが、解決すべき課題が多く残されている。そこで本研究は、閉経後の高齢女性を対象に、2年間の追跡調査を行い、骨密度の変化およびカルシウム摂取量および生化学指標との関連を検討した。 対象者は、某体操教室に通う65歳以上の地域高齢女性68人で、ベースライン調査として4日間の秤量法食事調査、生活習慣の質問票調査、身体と骨密度測定、採血および採尿を行った。さらに、2008年に、フォローアップ調査としてFFQを含む生活習慣調査および身体と骨密度測定、採血および採尿を行った。骨密度(BMD)は利き腕の橈骨をDXA法で測定した。フォローアップ時の対象者の年齢は平均73.7±5.0歳、BMIは平均22.1±3.1kg/m2、BMDは平均0.48±0.07g/cm2であった。対応のあるt-検定の結果、BMDは、-0.005g/cm2と減少傾向にあり(p-0.069)、若年成人の平均骨密度との比較(%)においても減少傾向(p=0.079)にあるが、同年齢の平均骨密度との比較(%)では、有意に増加しており(p<0.01)、同年齢と比較するとBMDの減少が緩やかな集団であると推察された。BMDの変化を「増加」「変化なし」「減少」の3群に分けたところ、それぞれ16人、26人、26人であった。フォローアップ時のBMDに対する重回帰分析(年齢およびBMIで補正)の結果、摂取カルシウム量とは関連がみられなかったが、尿中カルシウム排泄量とは有意な負の関連がみられ(p<0.05)、高齢者の骨粗鬆症対策では、カルシウムの吸収・排泄能の個人差を考慮したカルシウム摂取の推奨が必要であると考えられた。
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