2008 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドローム予防因子アディポネクチンと幹細胞及び運動との関連
Project/Area Number |
19700555
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
小林 正利 Kurume University, 医学部, 助教 (30320154)
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Keywords | 細胞・組織 / 再生医学 / 健康科学 / 肥満 / 糖尿病 / メタボリックシンドローム / GFPトランスジェニックマウス / アディポネクチン |
Research Abstract |
メタボリックシンドローム予防因子として知られるアディポネクチンはインスリン感受性を亢進し抗糖尿病ホルモンとしても知られている。ラットを用い、インスリン感受の場でもある骨格筋の凍結切片を作製し、アディポネクチン受容体のAdipoR1について、抗AdipoR1抗体を用いて免疫組織化学染色をおこない、その分布局在を顕微鏡観察にて検討した。安静11週齢雄ラット長指伸筋および前脛骨筋における検討の結果、比較的直径の小さい筋線維にAdipoR1の強陽性反応が確認された。これを筋線維型と比較するとAdipoR1陽性筋線維の殆どは有酸素性解糖能に優れたtype1線維であることが明らかになった。 また、運動を行うことで骨格筋のインスリン感受性が亢進することが知られており、アディポネクチンの感受性も高まることが期待される。そこで、ラットを回転運動飼育ケージにて4週間飼育し、その間自由に走行運動を行わせ検討をおこなった。最も運動をおこなったラットの前脛骨筋でAdipoR1の局在を検討した結果、有酸素性解糖能に優れたtype1筋線維だけでなく、有酸素性解糖能、無酸素性解糖能の両方に優れるtype2a筋線維においても免疫陽性像が認められた。また、数は少ないが無酸素性解糖能に優れたtype2b線維においてもAdipoR1陽性反応が認めらるものもあった。この結果から定期的な運動を行うことは、有酸素性解糖能力に優れる筋線維だけでなく、無酸素性解糖能力に優れた筋線維においてもアディポネクチンの感受性を亢進させる可能性が示唆され、運動がメタボリックシンドローム予防、症状の軽減および改善に有効であることが示唆された。
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