2009 Fiscal Year Annual Research Report
「連携」概念を用いた家政学の新しい専門性に関する基礎的研究
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19700563
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
小林 陽子 Gunma University, 教育学部, 講師 (60403367)
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Keywords | 家政学 / 専門性 / 社会貢献 / 管理栄養士 |
Research Abstract |
〔目的〕 現在、国民生活に関する諸問題の多くは、家庭生活および人間生活を主題としてきた家政学において無視できない課題である。これらの解決のためには、個別的な専門性や役割を発揮するだけでは不十分で、生活現象を総合的たみるという家政学の貢献が期待されるところである。しかし現実はそうとは言い難い。その要因のひとつに、家政学が時代認職や問題解決に対応した組織的な連携やネットワークづくりを十分に行ってこなかったことが考えられる。そこで、本年は、家政系学部から就職者を多数輩出し、近年栄養サポートチームの導入により他職種との組織的な連携・協力を行っている管理栄養士に着目し連携とネットワークづくりの現状と課題を明らかにすることを目的とし、以下の方法で研究を実施した。 〔方法〕 管理栄養士の連携とネットワークづくりの現状と課題を明らかにするためた、関東地域で働く管理栄養士15名にインタビューをおこなった。対象管理栄養士は、次の点を条件とした。(1)管理栄養士として5年以上の継続した実践経験を有していること、(2)主な実践経験の場が医療機関や行政機関であり、ヒューマンサービス領域で管理栄養士の仕事をしていること、(3)以上を満たしている方で調査の了解を得られた方である。 インタビューは半構造化面接で各人1時間程度実施し、了解を得て録音し逐語記録を作成した。以下の4つの質問を主軸とし、自由に意見を述べてもらつた。(1)仕事内容、(2)業務での組織的な連携と個人的なネットワークづくり、(3)これからの管理栄養士に必要な能力、(4)管理栄養士になった理由。 〔結果〕 インタビュー調査より把握できた管理栄養士の連携とネットワークづくりの課題は(1)コミュニケーション能力(2)自己アピール能力(3)他の職種と意見交換ができる十分な知識(4)事業を推進しうるマネージメント能力の4点であった。 今後は家政系学部から輩出される他職種を対象に同様の調査を行い、共通課題を析出し、連携た関する家政学の新しい専門性を提案したい。
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