2007 Fiscal Year Annual Research Report
グループワーキング手法を取り入れた介護労働従事者の負担軽減に関する研究
Project/Area Number |
19700573
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Research Institution | The Institute for Science of Labour |
Principal Investigator |
松田 文子 The Institute for Science of Labour, 研究部, 特別研究員 (40399340)
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Keywords | 人間工学 / 介護労働 / 作業負担 / 職場改善 / グループワーク / 負担軽減 |
Research Abstract |
本研究の目的は、介護者側の作業負担感を充分に配慮して、介護作業を検討するという視点から、介護労働従事者に対して、自らの健康を阻害することなく、より快適に働ける作業手順・労働環境を、その自らの職業経験を元に取りまとめ、改善していくための手法の提案とその検証を行うことにある。具体的には、同業人でありながら、日頃、まとまって課題を討議する場の少ない介護労働従事者らが、積極的に、意見交換を行う機会を設け、その中でスキルの確認、その標準化、改善対処の方法などを情報交換するとともに、そのグループワーキングアプローチの有効性を検証する。 本年度の研究は、次年度の研究への準備段階と位置付け、神奈川県A市で、グループワーキングを実施し、以下の点を確認した。 1、介護労働における要素作業リストを元に難易度などを評価する質問紙調査 筆者らがこれまでに取り組んできた高感度差異抽出法(SDM)の分析結果より出現した年代別、経験年齢別などによる傾向が、試作した質問紙によっても抽出可能であるか、検討を行った。 2、グループワーキングによる腰部負担を中心とした作業負担度マップの作成 複数の事業所で働く介護従事者の混成によって構成されるグループをつくり、グループワーキングを行った。日常作業における負担がどのように位置づけられるか、また、他事業所の良好事例を情報として得ることで、どのレベルまで負担を下げることができると考えるかなどを討議した。結果、同一の作業においても、介護従事者の負担感が異なることが分かり、その理由を話し合うことで、より負担の少ない方法や改善のアイデアが共有され、事前に評価した負担のレベルを、見なおす場面が多く出現した。
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