2007 Fiscal Year Annual Research Report
赤身魚によるアレルギー食中毒予防のための基礎的研究
Project/Area Number |
19700576
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
新田 陽子 Nara Women's University, 生活環境学部, 助教 (70403318)
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Keywords | ヒスタミン / 食中毒 / アレルギー / 赤身魚 / 酵素反応法 |
Research Abstract |
アレルギー様食中毒はヒスタミン食中毒とも呼ばれ、主に赤身魚の内在菌が産生するヒスタミンを多量に摂取することが原因とされている。アレルギー様食中毒予防並びにヒスタミンの摂取を減らすうえで、赤身魚中のヒスタミン量を家庭や給食施設、飲食店で把握できることが望ましい。そこで平成19年度では、今後期待できる検査法の一つである、酵素反応によるヒスタミン定量法について、将来的に一般での利用が実現可能であるかどうかを検討した。酵素反応によるヒスタミン定量の原理はヒスタミンと1-Methoxy PMSの存在下でヒスタミン脱水素酵素を作用させ、その生成物がテトラゾリウム塩WST-8を還元型にすることで発色し、その程度を470nm付近で定量するというものである。そのため、発色の際の酸化還元反応が他の因子によって阻害もしくは促進されることによって正確な定量ができなくなる。本研究では赤身魚の調理・加工が発色に影響を及ぼし、その結果食中毒レベルのヒスタミンの定量に影響を及ぼすかどうかを確認する実験を行った。加工済み赤身魚中のヒスタミンを酵素反応法で定量し、従来のHPLC法で定量した値と比較することで評価した。その結果調理済みの赤身魚と酸化防止剤添加済みの赤身魚について、酵素反応法によって食中毒レベルのヒスタミンの定量が正確に行えることがわかった。また、調理後の成分には発色試薬に影響を及ぼす成分が存在することを確認し、ヒスタミン定量に影響を及ぼすアスコルビン酸とイソアスコルビン酸ナトリウムの濃度を確認した。これらの成果は現在日本家政学会誌に投稿中である。
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