2008 Fiscal Year Annual Research Report
赤身魚によるアレルギー食中毒予防のための基礎的研究
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19700576
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
新田 陽子 Nara Women's University, 生活環境学部, 助教 (70403318)
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Keywords | ヒスタミン / 食中毒 / アレルギー / 赤身魚 / 酵素反応法 |
Research Abstract |
アレルギー様食中毒はヒスタミン食中毒とも呼ばれ、主に赤身魚の内在菌が産生するヒスタミンを多量に摂取することが原因とされている。アレルギー様食中毒予防並びにヒスタミンの摂取を減らすうえで、赤身魚中のヒスタミン産生を防ぐことが望ましい。そこで平成20年度では、ヒスタミン合成酵素であるヒスチジンデカルボキシラーゼの阻害物質を天然物から探索した。内在菌からヒスチジンデカルボキシラーゼを得ることが望ましいが、スクリーニングの段階であるため、所属研究室で既に大量の酵素を獲得する系を確立していたヒト由来の組み換えヒスチジンデカルボキシラーゼを用いた。生薬・ハーブとして用いられている薬用植物をスクリーニングしたところ、阻害活性を示す植物を確認した。それらの植物を科で分類すると、バラ科が多く、阻害活性を示した全植物の約7割がバラ科であった(日本家政学会誌に掲載)。そこで更にハーブ等で用いられているバラ科植物について調べたところ、高い割合で阻害を示すことを確認した。その中で、シモツケ(セイヨウナツユキソウ)については阻害率も高かったことから、阻害成分の同定を試みており、現在1成分を同定し、その成分が阻害活性を示すことを確認した段階である。また、香辛料として用いられているオールスパイスについても阻害活性がみられたことから、成分の同定を試み、ケルセチンの配糖体に強い阻害を示すものが認められた。この成果については学術雑誌Food Chemistryに掲載された。
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Research Products
(4 results)