2009 Fiscal Year Annual Research Report
各種食品成分との相互作用による機能性糖鎖の免疫調節機能の増強と展開
Project/Area Number |
19700577
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
湊 健一郎 Miyagi University, 食産業学部, 講師 (10341728)
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Keywords | 食用キノコ / ナメコ / タモギタケ / 多糖 / マクロファージ / M1マクロファージ / 免疫調節作用 / 加熱調理 |
Research Abstract |
本年度は食用キノコであるタモギタケ中精製多糖の,免疫担当細胞分化に対する影響を調査した。本実験で用いた細胞は単球系細胞THP-1であり,本細胞のマクロファージ様細胞への分化に対して,タモギタケ中多糖がどのような影響を持つのか,フローサイトメーターを用いた産生サイトカイン測定により調査した。その結果,IL-12を生産・分泌する古典的活性化マクロファージ(M1)への分化を誘導することが明らかとなった。また,ナメコから抽出された多糖においても同様に調査した結果,同じくM1マクロファージへの分化が誘導された。これら多糖は昨年度BALB/cマウスを用いたT細胞分化解析において,Th1優位の生体内変化を誘導することを示したが,今年度調査したM1マクロファージは生体内で微生物や腫瘍の除去を行なうなど,Th1細胞と同じような性質をもつ。そのため,食用キノコ中機能性多糖は細胞傷害性を誘導する生体内免疫系を賦活化することが示唆された。 ところで,食品は様々な加工・調理を施した上で摂取される。そのうち加熱調理というのは,最も一般的な方法である。そのため上記機能性多糖に加熱処理を施して,その免疫調節作用(M1マクロファージ分化効果)が変化するかどうか調査した。その結果,加熱処理をしてもキノコ中機能性多糖の上記作用は維持されていた。以上のことより,機能性が注目されている食用キノコ類は,普段の食生活(食習慣)による摂食によって,その機能が十分発揮できることが示され,機能性食品素材として非常に有用なものであると考えられる。
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Research Products
(2 results)