2007 Fiscal Year Annual Research Report
母親の食事に対する母乳中の成分変化と乳児の嗜好性の関連
Project/Area Number |
19700578
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
廣瀬 潤子 The University of Shiga Prefecture, 人間文化学部, 助教 (40381917)
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Keywords | 母乳 / 授乳婦 / 食生活 / 嗜好性 / におい / 人工乳 / におい識別装置 |
Research Abstract |
母親の食事内容によって,乳児の母乳の飲み方に変化がある場合がしばしば観察される。したがって,母親の食事が授乳のトラブルの一因につながるであろうと推測できる。しかしながら,母親の食事が母乳成分に及ぼす影響についてはデータが極めて少ない。本研究では,母親の食事が母乳のにおいや呈味成分におよぼす影響を解析し,それらの成分変化と乳児の嗜好性との関連を明らかにし,母親の食生活からおこる授乳トラブルの解消をめざす。 本年度は特に母親の食事と母乳のにおいに注目し,におい識別装置による母乳のにおい解析を行った。それぞれ異なる母親から採取された母乳,メーカーの異なる人工乳と普通牛乳のにおいパターンを解析したところ,3種はそれぞれ異なるにおいパターンであったが,母乳同士と普通牛乳同士はそれぞれ同じグループ内ではよく似たにおいパターンであった。しかしながら,人工乳はメーカーによってにおいパターンが大きく異なっていた。 また母親の食事のエネルギー・主要栄養素量,母乳中のたんぱく質濃度・トリグリセリド濃度について,母乳のにおいとの間に一定の傾向が示されることはなかった。しかし,母乳採取の直前の食事内容を普殻より脂質を多くした場合には,食事内容に変化のない群とにおいの質の摂取前後での変化パターンが異なっていた。 以上の結果から,母親の食事内容が大きく変わるときに母乳のにおいに影響を与える可能性が示唆され,乳児の吸い付きに影響を与える一因となるかもしれない。 本研究は,第22回日本母乳哺育学会学術集会において奨励賞を受賞した。
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Research Products
(1 results)