2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19700582
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Research Institution | Kagoshima Immaculate Heart University |
Principal Investigator |
竹下 温子 Kagoshima Immaculate Heart University, 看護栄養学部, 助教 (10412850)
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Keywords | 黒毛豚 / カルノシン / 遊離アミノ酸 |
Research Abstract |
本研究は黒毛豚の遺伝解析および美味しさと遺伝子の関係を追求していくことを目的とし、その手立てとして、まず、日本で美味しいと評判のある鹿児島黒豚、中国で美味しいと言われている梅山豚、世界的に美味しいと言われているイタリアのイベリコ豚の遺伝子解析および、それぞれの遊離アミノ酸量・カルノシン含量、脂肪酸組成の定量を行うこと、また白豚と黒毛豚が明らかに違いがあるかどうかを見極めることも重要であると考えたため、白豚と鹿児島黒豚を用いて、その蛋白質量および、脂肪含量などの測定を行った。 まず、白豚肉と生産元が分かっている鹿児島黒豚肉(以後黒豚肉と略す)を用い、ロース、バラ、ヒレ、うでのそれぞれの部位について市販されている形状で蛋白質量や脂肪量を求めた。その結果、蛋白質量は、ヒレ以外の部位で0.01%水準で有意な差が得られた。黒豚肉の蛋白量が有意に高かった部位は、「うで」であった。それ以外の部位については、0.01%水準で黒豚肉の方が有意に低い値を示した。次に脂肪量は0,01%水準でロース、バラ、ヒレが有意に黒豚肉で高いことがわかった。うでに関しては0.01%水準で黒豚肉が有意に低い値を示し、その値は4倍以上低値であった。この結果から、黒豚肉は白豚肉にくらべ、脂肪をより多く含む肉質であることが分かったが、本研究で用いた黒豚は放し飼いをするため、うでについては、非常に脂質量が少ないことがわかった。 万人が黒豚肉を美味しいと思う一つに、脂肪に甘味があり、脂肪がべとつかない。という理由がある。黒豚肉は脂質に富むというこれらの結果や、前述した万人が黒豚肉を美味しいと思う理由から、今後は脂肪にスポットをあてて研究することがおいしさと遺伝子の関係を追求していく上で非常に重要になると考えられた。黒毛豚の遊離アミノ酸の定量、遺伝子解析結果については、研究成果報告書にて報告する。
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