2007 Fiscal Year Annual Research Report
栄養と運動によるWntシグナリングの調節メカニズムと役割
Project/Area Number |
19700586
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
稲垣 洋介 Tohoku University, 加齢医学研究所, 助教 (60400412)
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Keywords | LRP5 / 6 / LRP / Wntシグナリング |
Research Abstract |
低密度リポタンパク(LDL)レセプターファミリーの一員であるLDL receptor related Protein 5(LRP5)ならびにWntシグナリングはショウジョウバエからヒトまで普遍的に保存されているシグナル伝達機構で、初期発生での役割が主流と考えられている。しかしながらLRP5の欠損は食餌性高コレステロール血症、耐糖能異常、骨粗しょう症などの代謝異常症を引き起こす。従って定常状態ではLRP5は脂質やグルコース、カルシウムなどのホメオスタシスを担うと考えられる。このようにLRP5は生体における種々の代謝のレギュレーターであることが示されているが、 LRP5/Wntシグナリング系の成体における調節メカニズムは依然として不明である。 定常状態のマウス各臓器を用いて19種類のWntならびに10種類のFrizzledのmRNA発現パターンを確認し、それらの発現プラスミドを構築した。また、糖尿病や動脈硬化症といった生活習慣病とLRP5/Wntシグナリングの関係で、最も注目している分子であるLRP5とそのファミリーであるLRP6については全長発現プラスミドの他、ドミナントネガティブ発現プラスミドを構築した(LRP5N1, LRP6N1)。ドミナントネガティブは細胞膜にアンカーされずに細胞外に分泌されるように膜貫通ドメイン以降のC末側を欠損し、C末端に検出および精製のためのmyc-Hisタグを導入した構造を持つ。これらの発現プラスミドを293細胞に導入して薬剤選択を経た後、安定発現細胞株を樹立した。LRP5N1、 LRP6N1それぞれの安定発現細胞のコンディションドメディウムより目的タンパクの精製を試み、精製標品を得ることが出来る実験系を確立した。
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[Journal Article] SOX6 Suppresses Cyclin D1 Promoter Activity by Interacting with β-Catenin and Histone Deacetylase 1, and Its Down-regulation Induces Pancreatic β-Cell Proliferation.2007
Author(s)
Iguchi H, Urashima Y, Inagaki Y, Ikeda Y, Okamura M, Tanaka T, Uchida A, Yamamoto TT, Kodama T, Sakai J
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Journal Title
Journal of Biological Chemistry 282(26)
Pages: 19052-19061
Peer Reviewed