2009 Fiscal Year Annual Research Report
セサミノールの生活習慣病予防効果ならびにその吸収メカニズムの解析
Project/Area Number |
19700590
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
西園 祥子 宮崎大学, 産学連携センター, 准教授 (40336970)
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Keywords | ゴマリグナン / セサミノール / 脂質代謝 / コレステロール合成 / ステロイド排泄 |
Research Abstract |
セサミノールは、ゴマに含まれるリグナンの一つであり、大部分がセサミノール配糖体として存在している。セサミノールは、セサミンに一つの水酸基が付加された構造をもつことから、セサミンで報告されている抗酸化活性やアルコール代謝促進作用、血清中性脂肪低下作用等のさまざまな機能性を発揮する可能性が考えられる。しかしながら、アグリコンとしてのセサミノールは、工業的精製が困難であったために、十分に検討されていない。 本研究では、セサミノールを工業的に精製する方法を検討している県内企業からセサミノールの提供を受け、セサミノールの脂質代謝に及ぼす影響についてセサミンならびにセサミノール配糖体と比較検討した。 4週齢雄のSprague Dawleyラットに、5mmol/kg飼料のセサミノール、セサミンまたはセサミノール配糖体を含む食餌を4週間自由摂食させた。血清中性脂肪濃度は、コントロール群と比べて配糖体群では差が認められなかったが、セサミノール群およびセサミン群では有意に低値を示した。一方、血清および肝臓コレステロール濃度は、コントロール群に比べてセサミノール群でのみ低かった。肝臓における脂肪酸の合成に関与するfatty acid synthaseおよびコレステロール合成に関与するHMG-CoAreductaseのmRNA量は、コントロール群に比べて、セサミノール群でのみ有意に低値を示した。さらに、脂質代謝に関わる遺伝子発現を制御するsterol regulatory element binding protein 2(SERBP2)の発現量は、コントロール群に比べてセサミノール群でのみ有意に低かった。糞中への脂肪排泄量は、セサミノール群で他の群よりも有意に高く、食餌脂肪の吸収抑制が示唆された。 以上の結果から、セサミノールは、セサミンよりも強い脂質代謝調節作用を示すことが明らかとなった。
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