2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞傷害性オゾンによる炎症・細胞死誘発活性と食品成分による抑制機構解析
Project/Area Number |
19700592
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
三好 規之 University of Shizuoka, 食品栄養科学部, 助教 (70438191)
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Keywords | 酸化ストレス / 分析化学 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
近年、強力な活性酸素種のひとつであるオゾン(O_3)が生体内で生成されることが報告され、動脈硬化病巣やアルツハイマー脳でオゾン酸化コレステロールが検出されたことから、動脈硬化や神経変性疾患、さらには呼吸器系疾患など過剰な酸化ストレスにより誘発される種々の疾病への関与が注目されている。しかし強力な酸化力を持つがゆえに不安定な活性酸素種であるオゾンによる酸化的ダメージ及び細胞死誘導機構に関しては、細菌や植物での報告はあるが、ヒトにおいては呼吸器系培養細胞を用いた検討を除き十分明らかにされていない。本研究では、生体内で最も豊富に存在する中性脂質であるコレステロールのオゾン酸化物に注目し、化学的、生物学的解析を行うことを目的とした。平成20年度は、生体内におけるatheronal生成の詳細な分子メカニズム解析を行い、コレステロールとmyeloperoxidase(MPO)、およびその基質であるH_2O_2とCl^-の存在下での試験管内反応より、atheroana1-AおよびBが生成することを明らかとした。また、これらのatheronal生成は、methionineやβ-caroteneなど一重項酸素スカベンジャーとにより有意に抑制されたことから、MPO活性化によるatheronals生成メカニズムにおける一重項酸素の関与を強く示唆する結果を得た。また、PMAで活性化させた好中球様分化HL-60細胞によるatheronal-Aおよび産生に対する食品由来成分(Vitamin CおよびEなど)の効果について検討した。その結果、α-tocopherolおよびγ-tocotrienolにはatheronal生成抑制効果は認められなかった。一方、ascorbicacldはPMA暴露により誘導されるatheronal生成を有意に促進した(約3倍)。今後ascorbicacidが促進するatheronal生成メカニズムの詳細な解析が必要である。
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Research Products
(15 results)