2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19700594
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
榎原 周平 University of Hyogo, 環境人間学部, 助教 (10372856)
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Keywords | 葉酸 / バイオアベイラビリティー / 腸管吸収 |
Research Abstract |
食品に含まれる葉酸はグルタミン酸が数個結合したポリグルタミン酸型として存在しており、吸収されるには小腸刷子縁膜に存在するグルタミン酸カルボキシペプチダーゼ(GCPII)(葉酸コンジュガーゼ)によって、モノグルタミン酸型となる必要がある。葉酸の生体利用率に影響する要因には、消化過程における分解や小腸での取り込み過程における阻害が考えられる。また食品成分によるGCPIIの阻害も考えられ、この点に着目して実験を行った。GCPII活性は、グルタミン酸が3つ結合したプテロイルトリグルタミン酸(PG3)を用い、豚小腸刷子縁膜小胞添加後の減少したPG3量をHPLC法で測定した。食品はホモジナイズ後、沸騰水中で抽出した溶液を用いた。抽出したレタス、キャベツを酵素反応系に添加しても、GCPII活性に影響を及ぼさなかった。一方、オレンジジュース、トマト、緑茶では活性阻害が見られ、特に緑茶による阻害が大きく、濃度依存的であった。本酵素は亜鉛依存性酵素であるが、反応系に通常の10倍量の亜鉛を添加しても、阻害の回復は見られなかった。本研究において、緑茶がGCPII活性を最も阻害することが示された。日本において緑茶は、葉酸の含有量と飲用量から、葉酸の摂取基準を満たすのに寄与している食品と考えられている。しかし、GCPII活性を阻害することにより、生体利用率に影響している可能性が考えられた。
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