2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19700597
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
友寄 博子 Prefectural University of Kumamoto, 環境共生学部, 講師 (10347700)
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Keywords | 糖尿病 / 機能性食品 / 肥満 / 海藻 / 海苔 |
Research Abstract |
本研究ではメタボリックシンドロームの予防と治療に寄与できる海苔由来成分を検索することを目的として研究を行った。昨年度に引き続き、インスリン様作用物質の分離・精製ならびに糖尿病モデル動物での作用確認を行った。インスリン様作用物質とは、体内でインスリン様にはたらく経口可能な物質で、糖尿病の予防と治療に寄与する成分を示す。 昨年度の研究より、海苔に含まれる分子量1000以下の画分(NS<1000)に強い作用を示すことが明らかとなったことから、この画分を用いて実験を行った。まず、遺伝的に高血糖と高インスリン血症を呈し、II型糖尿病のモデル動物として用いられているKK-Ayマウスにこの画分を長期投与し、糖尿病改善効果を検討した。その結果、投与開始3週間後、コントロール群に比較して被験物群の血中インスリン濃度が有意に低値を示した。さらに、投与開始5週間後に糖負荷試験を行った結果、投与開始30分後、コントロール群に比較して被験物群の血中インスリン濃度が有意に低値を示した。これらの結果から、NS<1000はインスリン様作用を示すことで、高インスリン血症を改善する可能性が示唆された。高インスリン血症は、II型糖尿病が重篤化する過程において、インスリン抵抗性や膵臓の疲弊によるインスリン分泌不全に深く関与する重大な症状の一つである。そこで、血糖値と並んで血中インスリン値をコントロールする事は、糖尿病治療において非常に重要な役割と果たすと考えられる。また、インスリン注射が必要な1型糖尿病患者にとって経口可能なインスリン製剤として利用できる可能性をもつと考えられる。また、高速液体クロマトグラフィーでNS<1000に含まれるペプチドを分画した結果、220nmで検出された画分にインスリン様作用を強く示す結果を得た。したがって、この結果より作用物質は分子量1000以下のペプチドであることが示唆された。
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