2007 Fiscal Year Annual Research Report
加工・調理過程により生成された食品中メイラード反応生成物の定量および生理作用
Project/Area Number |
19700599
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
山口 敬子 Japan Women's University, 家政学部, 助手 (00440074)
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Keywords | メイラード反応 / タンパク質 / AGEs / アマドリ |
Research Abstract |
メイラード反応生成物のなかには、疾病との関わりが深い物質がある。近年、特に注目されているのが生体内AGEs(advanced glycation end products)であり、老化や糖尿病の合併症を引き起こす因子であることが報告されている。そのため、食品中AGEsも生体内AGEsと同様に疾病に関与しているのではないかという疑いがもたれている。そこで本年度の研究では、メイラード反応生成物、特に反応中間体であるアマドリ転位生成物や反応最終産物であるAGEsが、食品中においてどの程度含まれているのかを分析した。アマドリ転位生成量はHPLCを用いてフロシンを定量することにより算出した。AGEs量はELISA法を用いてAGEsの一つであるAGE-1を定量することにより検討した。その結果、(1)加工食品(15品目)中のアマドリ転位生成量はタンパク質100g中に約0.1〜1.4g含まれ、特にカステラに多く含まれていた。カステラ中のハチミツには、アマドリ転位生成物の生成に大きく関わるグルコースやフルクトースが多く含まれているため、アマドリ転位生成量が高かったのではないかと推測された。(2)調理した牛挽肉におけるアマドリ転位生成量は、どの調理法(焼き・揚げ・オーブン・茹で)においても、砂糖と食塩添加による調味ありのほうが、調味なしよりも生成量が低かった。したがって、食塩添加によりメイラード反応の進行速度が抑制されることが示唆された。(3)AGEsタンパク質モデル(4種)のAGE-1量はβ-ラクトグロブリンおよびカゼインが高値を示し、オボアルブミンおよびリゾチームが低値を示した。この結果から、AGEsの生成量はタンパク質の種類により異なることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)