2007 Fiscal Year Annual Research Report
茶葉成分テアニンの脳障害保護作用機構の解明と記憶学習機能へ及ぼす作用
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19700602
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Research Institution | Hamamatsu University |
Principal Investigator |
寺島 健彦 Hamamatsu University, 健康プロデュース学部, 助教 (00398356)
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Keywords | テアニン / マイクロダイアリシス / 神経伝達物質 |
Research Abstract |
これまでの研究により、緑茶の代表的なアミノ酸であるテアニンには、脳卒中易発症性高血圧自然発症ラットへの長期投与で脳卒中発症遅延による寿命の延長と脳障害保護作用があり、実験的脳梗塞による神経細胞死や脳傷害を抑制することが明らかとなっている。しかしながら、その詳細な機構は明らかとなっていない。そこで本年度の本研究課題では、テアニンの脳機能保護作用の機構解明の一端を明らかにすることを目的として、まずはじめに実験的脳梗塞を起こしたラットで障害が起こりやすい部位「海馬」における脳間隙中成分(神経伝達物質など)の放出パターンに対してテアニンが影響するか否かを、脳内へのテアニン投与により調べた。またテアニンを脳内へ投与した場合に観察される脳間隙中の神経伝達物質量の増加が、胃から消化吸収した場合においても起こりうるかについて、空腹にさせたラットにテアニンを含有した飼料を摂取させ、その前後における神経伝達物質放出量を測定し検討した。どちらの実験にも、自由行動下で脳の特定部位から、各物質がサンプリングできる脳微少透析法(Brain Microdialysis)を用いて検討した。その結果、まず、海馬におけるドーパミン放出量の変動はこれまで線条体で見られた変化と同様、テアニンを透析灌流液に溶解し作用させることで一過性の増加を示し、海馬においてもテアニンが同様に作用することを明らかにした。また、テアニン含有飼料を摂取することで、脳線条体においてドーパミンの放出量が徐々に増加し、摂取後5時間まで放出量が増加することが観察された。
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