2007 Fiscal Year Annual Research Report
緑茶成分エピガロカテキンガレートによる脳卒中発症予防のメカニズム
Project/Area Number |
19700604
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
田渕 正樹 Kinki University, 医学部, 助教 (20340771)
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Keywords | 循環器・高血圧 / 食品 / 緑茶カテキン / 脳卒中 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
エピガロカテキンガレート(EGCG)が脳卒中発症に及ぼす影響を明らかにするために,モデル動物として悪性脳卒中易発症性高血圧自然発症ラット(M-SHRSP)を用いて,5週齢よりEGCG水溶液を自由摂取させEGCG群とした.対照群(蒸留水の自由摂取)との比較により以下の知見を得た. 1.投与4週間後まで血圧に差は認められなかったが,5週間以降にEGCG群で有意な血圧上昇抑制が認められた. 2.投与6週間後において,酸化ストレス指標である尿8-OHdG及び尿バイオピリンを測定したところ,尿8-OHdGに差は認められなかったが,EGCG群において,尿バイオピリンの有意な低下を認めた. 3.投与8週間後における血漿レニン活性,アンジオテンシン濃度,アルドステロン濃度を測定したところ,血漿レニン活性に差は認められなかったが,血漿アンジオテンシン,アルドステロン濃度がEGCG群で有意に抑制された. 4.投与8週間後における血漿一酸化窒素代謝産物濃度は,EGCG群で有意に抑制された. 5.EGCG群において,有意な脳卒中発症遅延効果を認めた. 6.投与8週間後の脳病理所見において,EGCG群で脳血管病変の発生率が抑制された. 7.生存日数はEGCG群において延長傾向がみられたが,有意な差は認められなかった. 以上の結果より,EGCGはアンジオテンシンIIの産生抑制による穏やかな血圧上昇抑制効果及び酸化ストレスの抑制効果により,脳卒中発症を遅延する可能性が示唆された.
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Research Products
(5 results)