2008 Fiscal Year Annual Research Report
緑茶成分エピガロカテキンガレートによる脳卒中発症予防のメカニズム
Project/Area Number |
19700604
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
田渕 正樹 Kinki University, 医学部, 助教 (20340771)
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Keywords | 循環器・高血圧 / 食品 / 緑茶カテキン / 脳卒中 / アディポネクチン / 耐糖能 |
Research Abstract |
緑茶成分エピガロカテキンガレート(EGCG)が脳卒中発症に及ぼす影響を明らかにするために, モデル動物として悪性脳卒中易発症性高血圧自然発症ラット(M-SHRSP)を用いて, 5週齢よりEGCG水溶液を自由摂取させEGCG群とした. 対照群(蒸留水の自由摂取)との比較により以下の知見を得た. 1. EGCG投与5週間後に胸部大動脈を摘出し, 内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)とNADPHオキシダーゼのサブユニット(Nox1, Nox2, p22^<Phox>)mRNA発現を対照群と比較したところ, 有意な差は認められなかった. 2. M-SHRSPでは脳卒中発症に伴い, 血漿アディポネクチン濃度が急激に低下することを見出した. EGCG投与は血漿アディポネクチン濃度に影響を及ぼさなかった. 3. M-SHRSPは, インスリン分泌不全に伴う著しい耐糖能異常を有していることを明らかにした. 4週齢のM-SHRSPにEGCG水溶液を3週間自由摂取させ, 経ログルコース負荷試験を行ったところ, 耐糖能異常は改善された. EGCGはインスリン分泌には影響しなかったことから, 腸管におけるグルコースの吸収抑制によるものであると考えられた. 以上の結果より, M-SHRSPにおける高血圧の進展には, インスリン分泌に伴う耐糖能異常が一部関与していること, 脳卒中発症に低アディポネクチン血症が関与していることを見出した. EGCGは血漿アディポネクチン濃度には影響しないものの, 耐糖能異常を改善することにより, M-SHRSPの高血圧進展を抑制する可能性が示唆された.
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Research Products
(5 results)