2007 Fiscal Year Annual Research Report
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19700606
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
吉田 周美 Mukogawa Women's University, 生活環境学部, 助手 (60441234)
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Keywords | 栄養学 / 遺伝子多型 / 骨粗鬆症 / 最大骨量 / 食育 / 若年女性 / 予防栄養学 / 栄養教育 |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本人若年女性の最大骨量に関連する遺伝子多型を明らかにし、遺伝的体質に応じた骨粗鬆症予防のための効率的方法を確立することである。最大骨量に関与する遺伝因子は十分な研究が成されていないため、データが不足している。初年度となる本年度では、遺伝因子を見出すことを主たる達成目標とした。他に、食生活状況を調査し、環境因子についても見当を行った。 対象は武庫川女子大学の食物栄養学科に通う学生170名とし、爪のサンプリング、骨評価値の測定、食生活に関するアンケート調査を行った。採取した爪より、ゲノムDNAを抽出し、TaqMan-PCR法にて遺伝子多型の判定を行った。調べた遺伝子多型は、エストロゲン受容体(ESR)存在下のrs9340799(ESRX)とrs2234693(ESRP)、LDL受容体関連タンパク5(LRP5)rs376228、I型コラーゲンrs1800012(CLA1)である。アンケートは、SPSSにより解析を行った。遺伝子のタイプと食生活の内容を表現型である骨評価値と比較することで、関連性をみた。 上記の解析から、最大骨量に関連する遺伝因子と環境因子との関連性を見出した。すなわち、以下の3点が明確になった。 (1)ESRP×LRP5(Pp-TT)⇒骨評価値が有意に低い。 (2)ESRP(PP)×運動習慣、ESRP(PP)×日光浴⇒骨評価値が有意に低い。 (3)LRP5(TT)×歩行習慣、LRP5(TT)×スナック摂取頻度⇒骨評価値が有意に低い。 以上の結果は、次の3点の意義がある。第一に最大骨量に関与する遺伝因子が新たに見つけられたこと、第二に食生活(環境因子)によって遺伝因子の影響は増強されので、介入次第で骨量が変化する見込みが見出せたことである。
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