2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19700606
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Research Institution | Mukogawa Women's University Junior College Division |
Principal Investigator |
山本 周美 Mukogawa Women's University Junior College Division, 食生活学科, 講師 (60441234)
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Keywords | 栄養学 / 遺伝子多型 / 骨粗鬆症 / 最大骨量 / 食育 / 若年女性 / 予防栄養学 / 栄養教育 |
Research Abstract |
昨年度は、一昨年度に引き続き最大骨量に関連する遺伝因子と環境因子の探索と、遺伝子多型のタイピングの効率化を図ることを目的に研究を行った。前者に関しては、骨評価値と単一の遺伝子においては有意な相関はみられなかった。1つの遺伝子では有意差をみいだせなかった結果から推察すると、複数の遺伝子多型が最大骨量に関係しているのではないかと考えられた。また、同じ遺伝子多型であっても環境因子によって骨量に差のあるケースも多くみられた。様々な要因が複雑に絡み合っている事実を得たことが最大の収穫であった。 後者に関しては、爪ケラチンを効率よく分解するプロテアーゼをメロン由来抽出物中より新規に見出した。この新規酵素は、爪ケラチンからのDNA抽出法に用いると、DNA抽出効率を約3.6倍高めるができる。従来、爪組織は硬く消化が困難であるが故に、DNA抽出源として利用が難しかったが、今回の新規酵素によりその利用性を飛躍的に高めたといえる。この成果は、Molecular Biotechnologyに近日中に掲載される予定である。 以上の昨年度の成果から、今年度は複数の遺伝子多型のタイプ判定と、環境因子との交互作用についての検討を行うことを計画している。骨量はすぐに変動するものではないため、予め運動経験のある者とない者とで比較することで、明確な環境要因と遺伝要因を探索したい。昨年度からの改良点としては、骨量の測定は従来の超音波による骨評価値ではなく、DEXAによる方法をとる。これは骨量判定の正確性を高めるためである。今年度の最終目標は、遺伝子診断により自らの食生活に対する意識を高め、それによる栄養教育効果を判定することで、新たな食育のツールとして確立することである。
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