2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19700606
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Research Institution | Mukogawa Women's University Junior College Division |
Principal Investigator |
山本 周美 Mukogawa Women's University Junior College Division, 短期大学部・食生活学科, 講師 (60441234)
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Keywords | 栄養学 / 遺伝子多型 / 骨粗鬆症 / 最大骨量 / 食育 / 若年女性 / 予防栄養学 / 栄養教育 |
Research Abstract |
骨量は遺伝因子と環境因子によって規定され、若年時に最大骨量を高めておくことが将来の骨粗髪症を予防するとされる。そこで本研究では、遺伝子多型のタイプ判定と、環境因子についての検討を行った。更に、判定結果を被験者にフィードバックし、被験者の意識改善と同時に食育を行った。 日本人の若年女性における最大骨量関連遺伝子多型については報告が少ないため、引き続き最大骨量を規定する遺伝子多型の探索を行った。遺伝子多型の判定は、ビタミンD受容体遺伝子、エストロゲン受容体遺伝子、低密度リポタンパク受容体遺伝子(LRP5)について解析を行った。骨量は超音波骨評価装置を用いて測定した。結果、LRP5(rs376228)において最大骨量との関連を見出した。環境因子については、食事や運動等の生活習慣問うアンケートに回答してもらい、統計解析を行った。結果、小魚の摂取頻度と運動経験の有無が最大骨量に影響していた。 更に、遺伝子多型判定結果を被験者にフィードバックし、同時にリーフレットによる食育を行った。遺伝子多型の判定結果は、被験者の体質に対する意識を高める効果があり、その後の食育に対しても自身の体質に応じた具体的な食べ方を知ろうとする積極的態度が観察された。このことから、遺伝子診断は食育に臨む前段階の意識づくりという点に於いて有効であった。一方で、遺伝子診断は将来の疾病に対する過剰な危機感を抱かせる一面もあるため、一定の年齢に達した者に実施すべきと考えられる。 以上の結果より、爪という侵襲性の低い材料を用いた遺伝子診断は被験者に身体的負担をかけることなく、体質に対する意識、生活習慣に対する認識を高める効果があり、食育を実施する際の新しいッールとして有用であると推察される。
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[Book] 栄養教育論2010
Author(s)
田中敬子, 他
Total Pages
149(37-42、87-91、118-125)
Publisher
朝倉書店