2007 Fiscal Year Annual Research Report
辛味成分イソチオシアネートとメタボリックシンドローム:血管平滑筋細胞への影響
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19700610
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Research Institution | Nakamura Gakuen University Junior College |
Principal Investigator |
長光 博史 Nakamura Gakuen University Junior College, 食物栄養学科, 助手 (20333271)
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Keywords | 血管平滑筋細胞 / メタボリックシンドローム / イソチオシアネート |
Research Abstract |
現在注目されつつあるメタボリックシンドロームは、最終的に狭心症、心筋梗塞、脳梗塞といった直接命に関わる重大な循環器疾患を引き起こす可能性が高いが、その直接の原因として血管壁を構成する血管平滑筋細胞の脱分化・遊走・増殖が知られている。特保食品に見られるように、健康食品の市場が拡大しつつあるが、血管そのもの、とりわけ血管平滑筋細胞を対象とした商品はこれまで開発されていない。アブラナ科植物に多く含まれるイソチオシアネート化合物は、これまで人を対象とした疫学調査や培養細胞を用いた解析で腫瘍抑制効果があると報告されているが、循環器への影響については解析されていないのが現状である。そこで、本研究では、食生活による循環器疾患の改善をを目的とし、イソチオシアネート化合物による血管平滑筋細胞への影響の解析に焦点をあてて検討した。今年度の研究によって得られた成果は、以下のとおりである。 (1)株化血管平滑筋培養細胞(VSMC)を用い、その増殖抑制効果を検討を行った。アリルイソチオシアネート(AITC),ベンジルイソシオシアネート(BITC),フェニルエチルイソチオシアネート(PEITC),スルホラファン(SF)とも濃度依存的にVSMCの増殖を抑制し、特にBITCによる増殖抑制効果が最も強く認められた。 (2)増殖抑制効果の原因としてアポトーシス誘発の可能性を検討したところ、AITC添加によりDNAの断片化が認められ、アポトーシスを誘導する可能性が示唆された。
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