2007 Fiscal Year Annual Research Report
マルチメディア学習環境が高次読解リテラシーの形成に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
19700645
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
西森 章子 Osaka Prefecture University, 人間社会学部, 講師 (50294012)
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Keywords | 読解リテラシー / マルチメディア / 学習環境 / 推論問題 |
Research Abstract |
平成19年度は,高次の読解リテラシーすなわち「推論する力」を形成するマルチメディア学習環境の開発と,読解リテラシーを形成する指導法について検討することを主要目的とした.目的を実現するために,「推論する力」を形成するマルチメディア学習環境について,中学生を対象として実験的検討をおこなった.具体的には,静止画を提示しながら学習を進める場合,提示様式の違いが,学習内容の理解に影響するかどうかについて検討した. 実験内容について大まかに説明すると,[一覧提示]と[連続提示]の2つの提示様式を設定し,73名の中学生を対象に,「水洗トイレタンクの仕組み」を学習する場面を実験的に構成し,学習後の理解を測定した.その結果,提示様式の違いは,用語再生など,低次レベルのテキスト理解には影響しないが,推論導出などの,高次レベルのテキスト理解に影響することが示された.また,中学生のなかでも,特に効率的な情報処理が困難な学習者の場合,連続提示が促進的に機能することが明らかになった. 以上より,文章が示す状況モデルを自発的に構築することが不得手な学習者にとっては,連続提示様式が有効であることが示唆された. なお,これらの研究知見は,学会発表1件という形で公表され,発表については多くの参観者よりフィードバックを得た.その後,質疑応答の内容をふまえ,学会雑誌論文(査読有)として投稿された(現在第2回目の審査がおこなわれている).
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Research Products
(2 results)