2007 Fiscal Year Annual Research Report
幼児・児童の認知特性に適したナヴィゲーションシステムの情報提示スタイルの開発
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19700652
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Research Institution | Shukugawa Gakuin College |
Principal Investigator |
森田 健宏 Shukugawa Gakuin College, 人間コミュニケーション学科, 准教授 (30309017)
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Keywords | メディア教育 / 防犯・安全教育 / 幼児期のメディア利用 / GPS / ポータブル・ナヴィゲーションシステム / メディイアと倫理 / 教師のメディア活用スキル / 幼児教育 |
Research Abstract |
本研究では、近年における幼児・児童に対する防犯・安全教育の必要性を鑑み、大人による危機的状況からの保護のみならず、子どもが自主的に危険回避行動に利用できるためのポータブルナヴィゲーションシステム(PNS)の開発を目的としている。ただし、子どもが実際に利用するためには、子どもの利用可能性を考慮し、さらに子どもの認知特性に配慮した情報提示スタイルについて検討する必要性がある。そこで、本年度は子どものメディア利用のあり方やその教育方法などについて幅広い視点から意見を収集し、さらに現状で普及が進められているGPSシステムの利用のあり方やPNSの利用条件についてのアンケート調査を実施し、具体的な実験的検討を進めるための基盤となる基礎資料を整備している。これは技術的開発の進展に対し、ユーザの利用意識が伴わないことを防止するため重要であると考えている。各種調査の結果より、1.幼児教育者にとってめディアの利用は消極的な意見が多いことはあまり変わっていないが、これまでに多く指摘されてきた古典的保育思想の影響にかかわらず、実際のところユーティリティ感覚の低さが起因して回避されている可能性が高いため、PNS導入には利便性の提示など具体的な情報提供などの配慮が求められること、2.GPSによる子どもの現在地確認は保護者からの支持は高いものの、子ども自身のプライバシーに関しては否定的に捉えられていることが調査データから明らかになり、早急に倫理的観点から使用ルールなどを学会レベルで提言する必要があると思われること、3.低年齢児がPNSを利用するためには、操作部のインタフェース配慮についての指摘が最も多く見られ、開発にあたって画面上の提示情報と共にユーザビリティへの配慮が求められることなどが明らかになった。これらの結果をユーザ側の配慮事項として含めることができ、ユーザの実情に即した開発が可能になったと考えている。
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Research Products
(2 results)