2008 Fiscal Year Annual Research Report
幼児・児童の認知特性に適したナヴィゲーションシステムの情報提示スタイルの開発
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19700652
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Research Institution | Shukugawa Gakuin College |
Principal Investigator |
森田 健宏 Shukugawa Gakuin College, 児童教育学科, 准教授 (30309017)
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Keywords | 防犯・安全教育 / 歩行者用ナヴィゲーション / ヒューマン・インターフェイス / ユーザビリティ / 子どもとメディア / コンテンツ開発 / 情報教育 / 教育工学 |
Research Abstract |
本研究は、現代生活における子どもの防犯・安全対策の重要性を考え、中でも子どもの自衛的な避難行動に資するようにポータブルナヴィゲーションの情報提示スタイルについて検討した。研究1では、現行のポータブルナヴィゲーション機器の情報表示などコンテンツ分析を行うと共に、幼児一児童期の子どもを対象としたモニター調査を行った。その結果、元来、現行の機器は子どもの利用を想定したものではないが、音声誘導やバイブレーション指示機能の併用により利用可能性が高まること、子どもにとって利用しやすいランドマークを別途検討する必要があること、コンテンツの詳細さが混乱を招くことなどが検討課題として見出された。研究2では、「日常的視点」「斜角俯瞰視点(45°)」「鳥瞰的視点(真上)」の3タイプのナヴィゲーション情報による経路移動の理解特性についてCG空間実験により検討した。その結果、幼児は日常的視点(ウォークスルー・ビュー)が最も理解しやすいことが明らかになり、想定しうる結果ながらも、ヘッドアップ機能の理解容易性や日常的視点から鳥瞰的視点への視点変換における文脈提示の有効性なども併せて見出すことができた。研究3では、日常的視点におけるナヴィゲーション情報の開発を視座に、方向指示情報のデザインについて検討し、さらに幼児を対象としたモニター調査を実施した。その結果、遠近法の理解が伴う日常的視点によるナヴィゲーション情報の場合、「天井吊下型」の方向指示パネルでは、方向が正しくても遠近の誤認が生じやすいためルートを誤る可能性があること、「床上矢印型」の方向指示は、遠近による奥行理解が正しくなる反面、方向変換に注意が及びにくくなる可能性があることなどが明らかになった。その他、上記の利用に関する情報スキルの育成や利用に関する意識調査を行っており、今後、さらに、コンテンツ開発と共に大規模空間での検討を計画している。
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