2008 Fiscal Year Annual Research Report
新しい展示照明光源-白色LEDに対する染料耐光性の検証
Project/Area Number |
19700669
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Research Institution | National Research Institute for Cultural Properties, Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 直人 National Research Institute for Cultural Properties, Tokyo, 保存修復科学センター, 主任研究員 (80370998)
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Keywords | 解析・評価 / 文化財科学 / 光化学 / 照明 |
Research Abstract |
最終年度となる本年は、前年度までに設置した白色LEDの照射試験設備を用いて、染料の耐光性検証に着手するとともに、ミクロな領域の変退色を測定する目的で簡易的な顕微分光システムを作製した。青色(indigo)、黄色(berberine)、赤色(alizarine)の染料で染めた絹および木綿布を対象に、3000ルクスの白色LED光を通算3週間照射した。照射前後の可視反射スペクトルを比較したところ、berberineで染めた絹布に特に大きな変化が認められた。その他の試料では大きな変化はなく、また無染色の絹布でも同様であった。この理由についてははっきりとしたことが言えないが、白色LEDの発光波長帯のうち、エネルギーが大きい短波長側の分布と黄色染料の吸収帯の重なりが大きく、光化学的反応が起こりやすくなっていることが一因ではないかと考えている。研究期間終了後も、引き続き検討を行う必要があろう。
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Research Products
(1 results)