2007 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャルキャピタル論を援用した農村再編における環境資源利用の多様化に関する研究
Project/Area Number |
19700672
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
小原 規宏 Ibaraki University, 人文学部, 講師 (40447214)
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Keywords | 環境 / 国土保全 / 人間生活環境 |
Research Abstract |
本研究、農村における環境保全活動やルーラルツーリズムといった地元と都市住民や行政を巻き込んだ現象を切り口として、農村の社会的持続性を促す装置として注目を集めるソーシャルキャピタク論の検証と持続的農村システム構築に向けた実証研究を進めていくことを目的としている。H19年度は、H18年度に行ったドイツバイエルン州南部、及び、東京都における農家と地元住民、NPOが地縁を越えた連携による農村資源、環境資源利用の実態を書籍と論文として発表した。夏季に行ったカナダ西部ブリティッシュコロンビア州での調査では、トンプソンリバーズ大学のDr. thomas Waldichukとともに企業化した農家が、農産物にとどまらない多様な最寄品を販売するようになることで、農村が都市の上位の地位を獲得しつつあることを明らかにした。日本における事例研究では、茨城県笠間市の笠間クラインガルテンにおいて、滞在型市民農園の利用者の属性と地域との関わりについて、聞き取り調査を行い、利用者の多くが退職を数年後に控えた50歳代の男性であり、かれらは笠間クラインガルテンを2地域居住の体験の場として利用していることを明らかにした。さらにクラインガルテン利用者の中には、農業の他に陶芸を行い、笠間市内に点在する窯元と交流を行なったり、まちづくりシンポジウムなどに参加するものも現れ、農村資源を核に農村を中心とした都市-農村交流が進みつつあることを明らかにした。また、茨城県常陸太田市金砂郷地区における事例では、葉タバコ跡地を利用してむ栽培した蕎麦を「金砂郷蕎麦」としてブランド化され、高値で取引されていることを聞き取り調査により明らかにした。さらに、常陸太田市では、このブランド化された蕎麦粉を利用した都市-農村交流が行われ、その交流は全国に及んでいることを確認した。
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