2008 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャルキャピタル論を援用した農村再編における環境資源利用の多様化に関する研究
Project/Area Number |
19700672
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
小原 規宏 Ibaraki University, 人文学部, 講師 (40447214)
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Keywords | 環境 / 国土保全 / 人間生活環境 |
Research Abstract |
本研究は、農村における環境保全活動やルーラルツーリズムといった地元と都市住民や行政を巻き込んだ現象を切り口として、農村の社会的持続性を促す装置として注目を集めるソーシャルキャピタル論の検証と持続的農村システム構築に向けた実証研究を進めていくことを目的としている。H20年度は、H19年度に整備した地理情報システムをはじめとした分析機器を利用し、茨城県を中心とした農村における都市農村交流の発展と農村環境資源利用の現状について把握した。そして、笠間市や常陸大宮市、常陸太田市、大洗町を中心に調査を開始し、成果を学会などで発表した。具体的には、農村でのツーリズムや農作業体験、そして地元住民との交流を自身のライフスタイルとして位置づける新たな都市住民層が出現しており、農村部へのリピーター、あるいは二地域居住者おなったかれらと地元住民、そして行政が新たなネットワークを構築しながら農村の環境資源である農地や農村景観、特産品などを新たな価値観で利用し始めている現状を報告した。夏季に行ったカナダ西部ブリティッシュコロンビア州での調査では、ブリティッシュコロンビア州全体の農村の現状を把握するために、州都のビクトリアを訪れ、資料収集、及び現地の研究者との意見交換を行い、H21年度の研究対象地域の選定を行った。具体的には、ブリティッシュコロンビア州東部のケロウナにおいて、農村への移住が顕著で、移住者たちは、ケロウナの農村の環境資源を自分たちのライフスタイルに合わせて価値付けし、利用し始めており、新住民と旧住民が混住するコミュニティがいかに構築されていったのかを明らかにすることは、今後のわが国の持続的な農村コミュニティの構築を考えていくうえで、重要であることを確認した。
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Research Products
(8 results)