2009 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャルキャピタル論を援用した農村再編における環境資源利用の多様化に関する研究
Project/Area Number |
19700672
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
小原 規宏 Ibaraki University, 人文学部, 講師 (40447214)
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Keywords | 環境 / 国土保全 / 人間生活環境 |
Research Abstract |
本研究は、農村における環境保全保活動やルーラルツーリズムといった地元と都市住民や行政を巻き込んだ現象を切り口として、農村の社会的持続性を促す装置として注目を集めるソーシャルキャピタル論の検証と持続的農村システム構築に向けた実証研究を進めていくことを目的とした。H21年度は、H20年度に引き続き、H19年度に整備した地理情報システムをはじめとした分析機器を利用し、茨城県を中心とした農村における都市農村交流の発展と農村環境資源利用の現状について把握を進めた。また、笠間市や常陸大宮市、常陸太田市を中心に調査を行い、成果を学会などで発表した。具体的には、農村でのツーリズムや農作業体験、そして地元住民との交流を自身のライフスタイルに取り込みながらスローライフ満喫する新たな都市住民層が出現しており、かれらがかつて耕作放棄地であった農地を再利用したり、地域の祭りやイベントに参加することで、過疎化と高齢化の進む地域社会の維持に寄与する可能性が高まっていることを明らかにした。また、ルーラルツーリズム先進国であるカナダに関する研究では、H21年度に行ったブリティッシュコロンビア州の州都であるビクトリアでの資料収集に基づいて研究対象地城として選定した州東部のキローナにおける調査を進めた。結果、ルーラルツーリズムの目的地となってきたキローナでは、州や大規模ワイナリーによる定住者増加のための開発が進められ、農村が高齢者を中心とした人々にとってのあらたな居住地へと変貌していることを明らかにした。
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