2007 Fiscal Year Annual Research Report
ルミネッセンスを利用した南極ドームふじコアの不純物解析システムの開発
Project/Area Number |
19710012
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷 篤史 Osaka University, 大学院・理学研究科, 助教 (10335333)
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Keywords | 熱ルミネッセンス / 光ルミネッセンス / 南極氷床コア / 塩微粒子 / 低温計測 / シリケイトダスト / 非破壊計測 / 古環境 |
Research Abstract |
南極氷床コアには塩微粒子をはじめとするダストが含まれており,約70万年間の古環境を知る上で重要な指標となっている、中でも塩微粒子は水に溶解するため,氷床中の塩微粒子の種類や量の変動を調べるには氷床を融解せずに検出できる方法が必要となる.これまでに顕微ラマン分光法による研究が報告されているが,本課題では発光計測を用いて氷中のダストの検出を行うことを提案した.本年度は,低温(77K〜冷凍庫内温度)における熱ルミネッセンス,および光ルミネッセンス計測装置の開発を行った.冷凍庫内に計測装置(温度ステージや光学フィルター,光検出器など)を設置し,塩微粒子や石英などの低温熱ルミネッセンスや温光ルミネッセンスの計測を可能にした.熱ルミネッセンスでは,南極氷床コアに発見されたものと同種の硫酸塩と硝酸塩で発光色が異なることを発見した.光ルミネッセンスでは,硫酸塩や硝酸塩よりも石英微粒子の方がよく発光した.よって,塩微粒子の検出には熱ルミッセンスがシリケイトダストの検出には光ルミネッセンスが適していると現在は考えらる. こうした基礎実験をふまえ,南極氷床コアを保管する北海道大学低温科学研究所の低音質において熱,および光ルミネッセンス計測実験を行った.本研究で開発している一連の装置は低温室でも問題なく稼動し,発光を検出できた.次年度は氷床コア計測に向けて種々のダスト物質の発光特性データの蓄積を行うとともに,コア試料の連続測定システムへと装置を改良する予定である.
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