2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19710016
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Research Institution | Kibi International University |
Principal Investigator |
大下 浩司 Kibi International University, 文化財学部, 助教 (40412241)
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Keywords | 簡易分析 / 分析前処理 / キレート樹脂 |
Research Abstract |
本研究は環境水中の微量な物質、特に有害金属イオンの定量を主体とした環境動態解析を遂行するための迅速、簡便、高感度な分析手法の構築を目指して、水溶液内の微量な金属イオンを分離・濃縮することのできるキレート樹脂を創製し、ハイパフォーマンスな簡易分析システムを開発した。キレート樹脂の金属イオン吸着に関するメカニズムについて、その化学構造を制御し合成したキレート樹脂の金属イオンに対する吸着性能と吸着メカニズムを検討、評価した。特定の金属イオンと錯形成可能なキレート試薬をキレート樹脂基材に結合することにより、その金属イオンに対する吸着選択性や吸着容量を改善することも可能であった。キレート樹脂基材へのキレート官能基の導入やそのキレート試薬の適切な選択・活用によりある程度自在にキレート樹脂の吸着性能をコントロールすることが可能であった。さらに分析前処理のオンライン化・簡易化を目指してスイッチングバルブやセレクションバルブ、シリンジポンプ等から構成される前処理システムを構築し、ハイパフォーマンスな簡易分析システムの開発に成功した。金属イオンを測定する際には目的の金属イオンを捕集・濃縮することのできるキレート樹脂を充填したミニカラムを本システムに組み合わせることによって、水試料中のマトリックスを分離し特定の金属イオンを濃縮した後、高感度に定量することができる。本研究は水試料中の微量な金属イオンの濃縮と高濃度なマトリックス成分の分離の分析前処理の過程をオンラインで実施し、金属イオンを高感度に定量することのできるハイパフォーマンスな簡易分析手法を確立した。
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