2008 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける陸域生態系炭素循環シミュレーションモデルのデータ同化手法の開発
Project/Area Number |
19710023
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
加藤 知道 Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 地球環境フロンティア研究センター, 研究員 (60392958)
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Keywords | 生態系C02交換 / 総一次生産 / 生態系呼吸 / 地球環境変化 |
Research Abstract |
1)データ同化手法の開発において、対象としている東アジア生態系の基礎的な情報を得るために、すでに論文や学会発表要旨として出版された渦相関法による炭素循環研究の成果をレビューし、初歩的な統合解析を行った。その結果、年間ベースにおいて、ほとんどのサイトで陸域生態系側の炭素吸収を示しており、その大きさは年平均気温、光合成有効放射、降水量によって制御されていることを明らかにし、投稿論文として発表した。 2)データ同化手法の開発において、協力関係にある英国ブリストル大学のProf.IC Prenticeの研究室との議論を行った。その結果、本研究において、同研究室が開発しているアジョイント法を利用した炭素循環におけるデータ同化システム(CCDAS)を利用することを決定した。しかしながら、それらは、地上観測点のCO_2濃度データを同化するシステムであるため、本研究の目的を達成するために、それらを地表面のフラックスデータを同化するように変更することが必要とされた。 3)2)において、本課題では、着実な進捗を得るために、まず全球を対象とした粗い地表解像度による実行を行うべく、コードの変更を開始した。その初期段階として、炭素循環における陸域生態系モデルの働きを知るために、1979-2003年を対象とした全球スケールのCO_2施肥効果を、CCDASを用いて調べた。しかしながら一方で、本課題策定時の想定よりもコードが複雑であり、多くの時間をコードの改良と試行に費やしたため、東アジアに特化した同化手法の完成には至らなかった。そのため、本課題以降も継続して開発を行う予定である。
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