2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19710033
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Research Institution | National Maritime Research Institute |
Principal Investigator |
黒田 貴子 National Maritime Research Institute, 海洋部門, 研究員 (00415811)
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Keywords | 海洋汚染 / 油流出 / 漁業被害 / 水揚損失量 / 生態系影響 / GIS |
Research Abstract |
本研究ではOILMAPを使った流出油挙動計算結果から油分濃度を指標に海洋生物への影響濃度を超えた海域での漁場消失による漁獲損失量について、漁業情報データベースを用いて予測する漁業被害予測モデルを、GISを用いて開発した。さらにMECモデルを用いた流動・低次生態系モデルに油影響モデルを組み込み、植・動物プランクトンの挙動シミュレーションを行い、流出油による漁場環境・海洋生態系への影響規模・期間を検討した。 H20年度は流出油の挙動解析を行うOILMAPにHYDROMAPによる日本周辺の流れ場解析データを作成しGISに連携させ、海洋生物代表種の植物プランクトン2種と、動物プランクトン及び海産魚で漁業対象の代表種として日本沿岸域に広く生息するマダイの毒性データベース作成し、漁業情報データベースとともにGISツールに組み込んだ。流出油挙動解析と海洋生物毒性データベース及び漁業情報データベースをGIS上で連携させ、流出油による漁業被害予測モデルを完成させた。さらに、このモデルを用いて2008年3月に起きた明石海峡流出油事故での海苔養殖の漁場消失範囲と生産損失量およびいかなご漁を行う船びき網漁業の漁場消失に伴う漁獲損失を予測し、実際の被害と比較した。その結果、予測被害値は実際の被害値と近い値を示し、漁業被害予測について本モデルの有用性が確認できた。 また、流出油による漁場環境・生態系への影響を把握するために、MECモデルを用いた流動・低次生態系モデルの植物・動物プランクトンへ海洋生物毒性データベースを基に構築した油影響モデルを組み込み、流出油による植物・動物プランクトンの挙動シミュレーションを行った。その結果、流出油による低次生態系への影響は短期的であることを把握した。
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Research Products
(6 results)