2007 Fiscal Year Annual Research Report
市民参加手続きが政策受容に及ぼす効果の環境心理学的研究:札幌市廃棄物政策事例
Project/Area Number |
19710035
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大沼 進 Hokkaido University, 大学院・文学研究科, 准教授 (80301860)
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Keywords | 社会的ジレンマ / 手続き的公正感 / 社会的受容 / 市民参加 / 環境心理学 / ごみ有料化 / 廃棄物 |
Research Abstract |
本研究の目的は、個人の負担増を伴う施策受容に市民参加の手続きがどの程度効果があるかを明らかにすることである。誰しもが便利さや快適さを追求したく、ごみの分別や処理費用の負担などはしたくない。しかし、個人が自己利益を追求した結果、社会全体として負う負担が増加するという社会的ジレンマ問題がある。これに対し、現実には制度設計による問題解決が求められるが、住民の負担を増やすような施策は躊躇されやすい。また、トップダウンで政策決定をしても多くの住民に受け入れられず、実効性が低くなってしまうこともある。こうした問題に対して、社会心理学における手続き的公正感の観点からのアプローチが有効であると考えられる。すなわち、同じ決定内容であっても、決定に至るプロセスが公正だと評価されれば社会的受容につながりやすく、逆に、どんなに優れた決定であっても、そのプロセスが不公正と見なされれば社会的受容につながらない。 本研究では、市民参加のプロセスを手続き的公正感の観点から捉え、いかなる市民参加の手続きをとれば、社会的受容につながりやすいかを検討する。その題材として、賛否が拮抗するごみ有料化問題を取り上げる。有料化導入前後でどのように社会的受容が変化するのか、それに市民参加手続きがどのように影響を及ぼすかを追跡調査する。本年度は、札幌市において、有料化導入前の賛否や手続き的公正感などの評価について無作為抽出による社会調査を行った。 先だって、EUにおける市民参加の先進事例調査を行い、その初期の成果を国際学会で報告した。関連して、行政と市民の信頼関係形成に関する情報公開プロセスのあり方について調査したもの、及び、ごみ減量行動の国際比較調査を行ったものが、論文として刊行された。さらに、有料化に付随して懸念される不法投棄問題について取り上げた論文も刊行された。
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Research Products
(19 results)