2008 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカにおける地方分権化下の野生動物の保護管理に関する研究
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19710037
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
西崎 伸子 Fukushima University, 行政政策学類, 准教授 (40431647)
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Keywords | アフリカ / エチオピア / 地方分権 / 野生動物保護区 / 委託管理 / 住民参加 |
Research Abstract |
本研究の目的は、エチオピアにおける地方分権化と野生動物保護政策に関する具体的な事例を検討し、1. 地方分権下における野生動物保護政策の実態を把握すること、2. 地方分権下における「住民参加」の状況を明らかにすること、3. 1と2の結果を踏まえたうえで、アジア・アフリカ諸国の事例と比較検討しながら、地方分権下における今後の野生動物の保護管理政策における「住民参加」の方向性を探ること、の3点である。 平成20年度は、ケニアとエチオピアの野生動物保護区において約1カ月の現地調査を実施した。ケニアにおいては、野生動物保護関連の国際ワークショップに参加し、エチオピアの事例について発表をおこなった。エチオピアにおいては、地方分権化によって、中央政府から地方政府へ野生動物保護区の管理運営の権限委譲にともなう現地レベルの対応を把握することを試みた。調査の対象はエチオピアの南部諸民族州が管轄するマゴ国立公園、オモ国立公園、アルバミンチ国立公園および中央政府が管轄するセンケレ・サンクチュアリとした。 現地調査の結果、州による野生動物保護管理が順調には進んでいないこと、とくに国際NGO等の外部団体が保護区を委託管理する試みがなされたが、現地住民との折り合いがつかず、撤退を余儀なくされていることなどが明らかになった。今後の課題として、他のアフリカ諸国の事例と比較しながら、国立公園のガバナンスについて検討することがあげられる。
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Research Products
(3 results)