Research Abstract |
本研究は,"わが国の国際貿易パターンの違いと消費の転換ビジョンとの関係"に問題意識を持ち,ライフサイクル思考による研究手法を援用して,消費の転換ビジョンの構築に取り組むことを目的としている。 平成19年度は,わが国の消費と国際貿易との関係性を記述するためのモデル設計とその関係性を定量的に分析するための手法論の検討を中心的に行った。設計したモデルは,産業連関分析の枠組みを拡張し,商品やサービスの部門構成と並列に貿易相手国を部門として構成される投入産出体系を基本構造とした。この構造により,両部門間の関係を内生的に記述することができる。なお,商品やサービスと貿易相手国との関連付けは,産業連関表付帯の産業連関表の部門と貿易統計とのコード対応表を利用し,貿易統計から相手国を同定した。しかし、コード対応の不整合があることが分かり,個別に修正する必要性があることが分かり,次年度の課題とした。 また,消費と貿易を通じた物質供給(天然資源,材料,製品供給)からみた社会の安定件性との関連をモデル化するため,本研究では社会ネットワーク分祈で利用されるモデル体系を援用する。そのため,産業連関分析の構造経路解析の手法を用いて,部門間,部門と相手国間,相手国間の環境負荷の大きさで評価されたネットワークを表現する方法論を検討した。加えて,各国の環境データの収集を進め,CO_2についてはおおむね整備ができたと考えられるが,一部の国では経済情報との整合が見られず,更に検証を要すると思われる。
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