2008 Fiscal Year Annual Research Report
国際貿易戦略と調和した「持続可能な消費」に向けた消費と技術の転換ビジョンの構築
Project/Area Number |
19710048
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
南齋 規介 National Institute for Environmental Studies, 循環型社会・廃棄物研究センター, 主任研究員 (80391134)
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Keywords | 国際貿易 / ビジョン / 接続可能な消費 / 物質消費 / 産業連関分析 |
Research Abstract |
本研究は,"わが国の国際貿易パターンの違いと消費の転換ビジョンとの関係"に問題意識を持ち,ライフサイクル思考による研究手法を援用して,消費の転換ビジョンの構築に取り組むことを目的としている。 平成20年度は,本研究で開発している世界連結産業連関モデル(Global Link Input-Output(GLIO)Model)による実証分析に向けたデータ整備の精緻化を行った。特に,貿易統計と産業連関表との対応表に関する不整合(バグ)を解消するため,産業連関表付帯の産業連関表の部門と貿易統計とのコード対応表の修正を行った。また,世界連結産業連関モデルから導かれる全世界をシステム境界とする内包型CO2排出原単位の構造的特徴を定性的に評価するため,従来型の多地域間産業連関モデル(Multiregional input-output(MRIO)model)による内包型CO2原単位を日本と国外とのブロック行列に分けた構造分解式に基づき対比を行う手法の開発に着手した。 さらに,開発したモデルによる内包型CO2排出原単位を地理情報システム上に表示するツールを開発し,わが国の財やサービスの生産により誘発される世界各国(230カ国)のCO2排出量を視覚化し,主要な財について主な排出国を同定し,排出寄与率を明らかにした。その結果,財やサービスのサプライチェーンで消費される石油製品に起因し,サウジアラビアやイランなど中東諸国の寄与率が少なくないことが確認された。
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