2007 Fiscal Year Annual Research Report
より有効な放射線療法に向けた新規放射線耐性責任遺伝子の網羅的単離
Project/Area Number |
19710049
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
桑原 義和 Tohoku University, 加齢医学研究所, 助教 (00392225)
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Keywords | 放射線耐性 / コロニー形成法 / 肝癌 / 放射線 |
Research Abstract |
標準的放射線療法である、2Gy/dayのX線を照射し続けても分裂を継続するヒト肝癌由来細胞株HepG2-8960-Rにおいては、その増殖が細胞密度に影響されるため、コロニー形成法やMTT法などの既存の指標では、その耐性の判定は困難であった。本年度、この細胞の耐性を検出することの出来るHigh density survival assay (HDS assay)を開発し、その耐性の判定を可能にした(投稿準備中)。HDS assayは、浮遊細胞やplating efficiencyの低い細胞でも高感度に放射線の影響を判定することができ、極めて有用な方法である。さらに、HepG2-8960-Rでは、親株であるHepG2細胞に比べて、X線で誘発されるDNA損傷の修復がより正確になされている可能性を見出した(投稿中)。現在、この点を明らかにするために、HPRT遺伝子座の突然変異率を解析している。また、PCRを用いたdifferential display法及びmicroarray法により、放射線耐性細胞特異的に発現の変動している遺伝子をいくつか単離した。これらの遺伝子は、放射線耐性責任遺伝子の候補となるものである。以上の点が、肝臓以外の臓器に由来する放射線耐性細胞においても当てはまるのかどうかを確認するために、ヒト口腔がん由来及びヒト肺がん由来細胞株からも、毎日2GyのX線を照射し続けても死滅しない放射線耐性細胞の樹立を試み、成功した。これらの細胞を用いれば、放射線耐性細胞の普遍性を確実に明らかにすることが出来ると考えている。
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Research Products
(16 results)