2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト細胞を用いたディーゼル排気由来DNA付加体による突然変異の定量的解析
Project/Area Number |
19710058
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
川西 優喜 Osaka Prefecture University, 産学官連携機構, 助教 (70332963)
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Keywords | TLS / DNA複製 / 大気汚染物質 / DNA付加体 / DNA損傷 / 突然変異 |
Research Abstract |
汚染物質の突然変異リスク評価の立場から,実際に環境中に存在する汚染物質が原因のDNA付加体を用いて,それら付加体が変異を誘発する過程を,ヒト細胞を用いて定量的に比較解析する。本課題では様々な大気浮遊粒子状物質由来DNA付加体を部位特異的に1箇所もつプラスミドをそれぞれ作製し,ヒト細胞内で複製させる。複製プラスミドを解析し,TLSの頻度と突然変異パターンを明らかにする。そして,あるDNA付加体がDNA中に1分子存在するときの突然変異誘発率(塩基変化率)を算出し,汚染物質ごとに比較を試みる。 アミノビフェニルーdG付加体を1つ含む13merオリゴヌクレオチド2種を,15merのギャップをもつシャトルベクタープラスミドにハイブリダイス/ライゲーションした。この修飾プラスミドをヒト細胞に導入し複製させた。細胞からプラスミドを回収し,複製しなかったプラスミドをメチル化パターンの違いを利用し制限酵素DpnIで消化して除き,複製したプラスミドを大腸菌(DH5α等β-Galカラーセレクション可能な株)に導入してコロニーの青白でDNA付加体部位のTLSを解析中である。付加体箇所でTLSが起こっているとLacZ'遺伝子の読み枠が正しく青,フレームシフト型TLSの場合は読み枠がずれ白,反対側の鎖が複製されていると(Damage Avoidance: DA)白いコロニーを生じ,DAプラスミドは制限酵素BgIIIサイトをもつ。これら表現形の違いを利用しTLSの割合を算出する。更にTLSプラスミドの塩基配列を決定し,TLSに際しどの塩基が対合したかを解明する。本年度はまた3-ニトロベンズアントロンのdGもしくはdA付加体各種を組み込んだ修飾オリゴ(5' -CCTTCCXTCTCCC, X:付加体)を準備しヒト細胞で複製するプラスミドに組み込んだ。
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Research Products
(5 results)