2008 Fiscal Year Annual Research Report
モエジマシダの重金属土壌浄化システムの分子生物学的解析
Project/Area Number |
19710061
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
畑山 正美 Tohoku University, 大学院・環境科学研究科, 助教 (30447148)
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Keywords | ファイトレメディエーション / ヒ素 / 分子生物学 |
Research Abstract |
近年、ヒ素を高蓄積する植物としてモエジマシダ(Pteris vittata)が報告され、モエジマシダを用いたファイトレメディエーションが注目されるようになった。前年度は、モエジマシダのヒ素高蓄積性の原因解明に向けて、ヒ酸(As(V))の輸送に関与すると考えられるリン酸輸送体遺伝子(PHT1)の単離を試みた。ホモロジークローニングにより取得したPHT1ホモログ(Pbpht1 ; 1, Pvpht1 ; 2)のうち、PvPht1 ; 1はヒ酸(V)添加によりその発現が抑制される一方で、Pvpht1 ; 2は構成的に発現していることが明らかとなった。また、その発現は羽片にほぼ特異的であった。酵母異種発現系を用いた機能解析の結果、Pvpht1 ; 1のヒ酸輸送活性が確認された。また本年度行ったEXFAS解析の結果、ヒ素は大部分の亜ヒ酸と少量のヒ酸で存在している可能性が示された。亜ヒ酸の取り込みを嫌気条件下、または好気条件かにおいて亜ヒ酸の取り込みを検討した結果、嫌気条件下では、亜ヒ酸の取り込みはほとんど行われていなかった、一方で好気条件下では、亜ヒ酸の一部が酸化され、ヒ酸として取り込まれている事が示された。次に、根におけるヒ素の排出量を検討した結果、本シダは主にヒ酸の形態で取り込み、その一部を亜ヒ酸の形態で排出していることが明らかとなった。また、取り込みに対するこの排出量は通常の植物に比べて少なくヒ素高蓄積の要因の一つである可能性が考えられた。シダは多くをヒ酸として取り込み、生体内で亜ヒ酸に還元後、亜ヒ酸の一部を排出しすることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)