2008 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマス炭化物を燃料とする炭素駆動燃料電池の基礎研究
Project/Area Number |
19710062
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
望月 和博 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 特任准教授 (30372428)
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Keywords | バイオマス / バイオエネルギー / 炭素駆動燃料電池 |
Research Abstract |
本研究では、バイオマスの炭化物を燃料とする炭素駆動燃料電池開発の基礎研究として、電気化学的な燃焼に対応する炭化物の性質と電気化学酸化特性の関係を明らかにするとともに、実験室レベルでの燃料電池セルの構築に関する検討を進めることを目的とした。 バイオマス炭化物燃料の仕様の検討および燃料電池セルの試作について、スラリー化した微粉炭を高密度充填した形式の炭化物充填型のセルは炭素が燃料と導電体を兼ねるため、電気化学酸化が効率的に進行することが分かったので、そのような状態の炭化物燃料を取り扱うことが可能な電気化学セルの設計を行った。ここでは、200℃付近で作動するアルカリ型の燃料電池を想定し、ステンレス製の圧力容器内に電気化学セルを構築する方式とした。電気化学セル本体が電極あるいはカレントコレクターを兼ねる構造として、ニッケルを用いて作成した。電解質としては、飽和溶解度付近の濃度の水酸化カリウム水溶液を用い、種々の実験的検討を行った。 特に陰極側(炭素極)での電気化学反応の挙動に着目し、炭素の消費速度、反応に関与した電気量と消費された炭素量の定量的な比較、反応後の炭素表面の状態などを整理した。これらは、装置・システム開発のための基礎となる工学的データとしてまとめた。なお、本研究の範囲においては、燃料電池として作動させるまでには至らなかったが、炭素の電気化学反応に関する挙動が整理され、副次的な成果として、電気化学酸化は例えば吸着材製造における炭化物の表面構造のモディフィケーション技術としても有望であることが示された。
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