2007 Fiscal Year Annual Research Report
硝酸性窒素汚染を対象とした微生物機能による分解促進・拡散制御に関する研究開発
Project/Area Number |
19710073
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Research Institution | Nagano National College of Technology |
Principal Investigator |
畠 俊郎 Nagano National College of Technology, 環境都市工学科, 准教授 (30435424)
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Keywords | 硝酸・亜硝酸 / 土壌・地下水汚染 / 原位置透水性制御 / MCP / 分子生物学 / カルシウム系鉱物 |
Research Abstract |
農用地における施肥などを由来とした硝酸・亜硝酸による地下水汚染事例が増加傾向にある.硝酸・亜硝酸に汚染された地下水の飲用による人の健康被害および生態系への悪影響防止を目的とし,微生物機能に着目した原位置透水性制御技術について検討した.本技術では,1)土壌内にカルシウム源及び炭素源を添加し,有機物の代謝に伴って発生するCO_2を利用して炭酸カルシウムを地盤内に生成させる,2)土壌内に硫黄源を添加し,地下水中に含まれる硫黄脱窒細菌および硝酸・亜硝酸を利用して硫酸カルシウムを地盤内に生成させる,ことにより地盤の透水性を低下させるものである.本年度は,炭酸カルシウム析出技術に関して自然界に生息する微生物機能によるカルシウム系鉱物析出促進を目的としてカルシウム源として塩化カルシウム,有機物源としてスクロースを用いた培養試験および連続透水試験を行いその有効性を明らかにした.また,硫酸カルシウム析出技術については県内において複数の農地から採取した土壌を用い,バイアル瓶を用いたバッチ試験により,有機物の添加無しで硫酸カルシウムを得る効果を明らかにした.以上より,新たな微生物源を添加することなく,一般環境中に生息している微生物の活性を高めることでカルシウム系鉱物(炭酸カルシウムおよび硫酸カルシウム)の析出を促進する効果を確認することができた.特に,硫黄源を添加により硫酸カルシウムを得る技術については,短時間で硝酸・亜硝酸の分解と硫酸カルシウムの生成を確認することができ,提案技術の基本的有効性を確認することができた.
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