2008 Fiscal Year Annual Research Report
ポリエステル生産の効率化のための組換え植物の生育阻害機構の解明とその改善
Project/Area Number |
19710076
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松本 謙一郎 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 助教 (80360642)
|
Keywords | バイオプラスチック / 遺伝子組換え植物 / マイクロアレイ / ポリヒドロキシアルカン酸 / イネ |
Research Abstract |
微生物が貯蔵物質として合成・蓄積するポリヒドロキシアルカン酸(PHA)は、再生可能なバイオマスを原料に合成できるバイオプラスチックであり、石油由来のプラスチックの代替材料としての利用が期待されており、実用化のためには生産コストの削減が大きな課題である。我々は、PHAをより低コストで生産するために、PHAの生合成系遺伝子群を導入した組換え植物におけるPHA生産を検討してきた。しかし、PHAを蓄積した植物は生育が阻害され、生産性が低下する事が問題であった。生育阻害は低いPHA蓄積率でも起こることから、ポリマーの蓄積が植物の遺伝子発現を撹乱することで、生理毒性を示している可能性が示唆された。そこで本プロジェクトでは、PHA蓄積が植物の遺伝子発現にどのような影響をおよぼすのかを解析することを目的とした。PHAの蓄積による生育阻害のモデル系としてイネを用い、PHA合成系遺伝子群を導入したイネの培養細胞を作成した。この培養細胞はPHAを蓄積し、それに伴って茶色く褐変化して生育阻害を示したことから、生育阻害のモデル系として使用できることが分かった。このPHA蓄積細胞と、対照サンプルの細胞での遺伝子の発現量の差を、マイクロアレイを用いた分析により解析した。その結果、ポリマーを蓄積したイネ培養細胞で、有意に発現量が上昇した、または減少した遺伝子を十数個特定することができた。この結果から、PHA蓄積による生育阻害の原因の一つになっている遺伝子の候補を特定することができた。
|
Research Products
(2 results)