2007 Fiscal Year Annual Research Report
金属/誘電体極薄膜多層系メタ物質を用いた可視光域でのサブ波長イメージングの実現
Project/Area Number |
19710081
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
冨田 知志 Nara Institute of Science and Technology, 物質創成科学研究科, 助教 (90360594)
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Keywords | メタマテリアル / ナノ光学 / サブ波長イメージング / 金属誘電体多層薄膜 / 表面プラズモンポラリトン / 全反射減衰法 / 光りトンネリング / 光リソグラフイ |
Research Abstract |
本研究は、アルミニウムを用いた金属/誘電体極薄膜多層系メタ物質により、可視光域で波長以下の分解能を持つイメージングを実現することを目的としている。このサブ波長イメージングの微視的なメカニズムは、光の共鳴トンネルであると考えられる。本年度は、1.光の共鳴トンネルの実験・計算による試料構造の最適化、2.サブ波長イメージングの原理検証、を行う計画とした。以下に得られた研究実績を記す。 1.高分解能セのサブ波長イメージングを実現するためには、メタ物質中での光の損失の抑制が重要であると考えられる。平成19年度の研究から、測定における全反射減衰(ATR)スペクトルでの落ち込み位置と、共鳴光トンネル(RPT)スペクトルでのピーク位置の差が、メタ物質中での損失に起因することが示唆された。金属や誘電体での誘電率の虚部で表ざれる、内因的損失のみを考慮した転送行列法を用いた計算で、この差は再現された。よって実験で見られた差は、内因的損失に起因すると考えられる。以上のことを元に、ATR/RPT同時測定を用いた試料構造の最適化を進めた。これらの結果はOptics Express誌に発表し、国際会議においても発表した。 2.平成19年度から繰り越した予算を使用し、サブ波長イメージング実験の準備を進めたた。具体的には、近接場光学顕微鏡用の近接場プローブを購入した。さらにイメージングに使用する試料を、集束イオンビーム加工装置で微細加工することを試みた。現在、微細加工の条件出しを進めている。
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