2007 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ炭素トポロジー物暫における特異な電子・スピン物性の理論的研究
Project/Area Number |
19710082
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
若林 克法 Hiroshima University, 大学院・先端物質科学研究科, 助教 (50325156)
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Keywords | ナノグラフェン / ナノグラファイト / ナノグラフェンリボン / エッジ状態 / 完全伝導チャンネル / 量子輸送現象 / 量子細線 / アンダーーソン局在 |
Research Abstract |
本年度は、ナノグラフェンリボンの量子輸送特性における不純物効果について、大規模数値計算によって解析を行い、ナノカーボン電子スピン素子を設計するために必要となる重要な基礎物性を明らかにした。 1.ナノグラフェンリボンの電子輸送特性における不純物散乱効果を、再帰グリーン関数法を強結合模型(Tigh-Binding Model)に適用することによって解析した。不純物の広がり格子定数程度より大きい場合には、谷間散乱がなくなり、エッジ状態に由来するサブバンドが完全伝導チャンネルを与えることを明らかにした。 2.上記の数値計算を実行するために、9ノード18コアを有するScore型クラスター計算機を製作した。また、再帰グリーン関数法による数値計算プログラムを、非平衡グリーン関数を取り扱えるように拡張整備を行なっている。 以上の成果と研究の進捗状況を踏まえ、来年度はエッジ乱れの効果、非平衡電子伝導特性に関する解析を実施し、ナノカーボン電子素子の動特性を解明する。
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