2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ炭素トポロジー物質における特異な電子・スピン物性の理論的研究
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19710082
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
若林 克法 National Institute for Materials Science, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 独立研究者 (50325156)
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Keywords | ナノグラフェン / エッジ状態 / 量子輸送現象 / グラフェン / ナノリボン / 磁場特性 / 完全透過チャンネル / 理論 |
Research Abstract |
ナノ炭素材料におけるネットワークトポロジーが電子輸送現象に与える影響を、平成19度本研究課題の一環として作製したScore型PCクラスター計算機を利用し、理論数値計算によって調べた。本年度は下記にしめす成果が得られた。 (1) 不純物散乱の強さや広がりが、伝導機構に与える影響を大規模数値解析により行った。アームチェア型のエッジを有するナノリボンにおいて、低エネルギー領域で、不純物散乱がほとんど電子輸送に影響を与えない特異な性質を有することを見いだした。これは、ディラック型分散関係に由来する線形バンドに関して、長距離型不純物による散乱では、Born近似の範囲で後方散乱の行列要素が消えることから理解できることが分かった。 (2) リボンの幅が異なる二つのナノリボンを接合する系について、そのコンダクタンスの振る舞いを調べた。ジグザグ端におきるエッジ状態にために、低エネルギー領域に、コンダクタンスがゼロになる反共鳴状態が現れる。この反共鳴状態の出現条件とジャンクション形状の関係を示した。エッジ形状を制御することによって、低エネルギーでの伝導特性が制御可能であることを示した。 (3) グラフェン量子ポイントコンタクトにおける電子輸送特性とその磁場に対する応答を数値的に解析した。その結果、ポテンシャルバリアーを介した電子伝導の場合と、エッジの幾何学的構造に由来したポテンシャルバリアーを介した電子伝導の場合とでは、その弱磁場でのコンダクタンスの依存性が大きく異なることが分かった。
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