2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ物質系のネットワーク形状制御による新奇物性探索
Project/Area Number |
19710087
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡田 晋 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (70302388)
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Keywords | グラフェン / エネルギー論 / 電子状態 / 磁性 / 表面 |
Research Abstract |
擬ポテンシャル平面波基底第一原理電子状態計算コード(PSPW)、さらに大規模系に関しては新たに開発した、実空間差分法を用いた密度汎関数法(RSDFT)コードを用いて、種々のナノスケール構造体の電子状態と安定構造を明らかにした。今年度は、Si表面上に誘起される新奇表面状態についての予言を行い、解析的手法を基に、この新奇表面状態がジグザグ端を有するグラフェンリボンにおいて発現する、エッジ状態の2次元版と見なす事が可能である事を示した。また、この事から、グラフェンにおけるエッジ状態がグラフェン特有の表面状態ではなく、物質がある種の格子構造を有する時に普遍的に現れる表面状態である事を示した。しかしながら、Siの場合、この状態はコンダクションバンドの比較的深いエネルギー準位に埋もれてしまい、グラフェンのエッジ状態の場合とことなり、簡単なフェルミレベルチューニングにより、その特異な伝導物性のデバイス等への応用は簡単には望めない事があきらかになった。次に、ジグザグ端を有するグラフェンリボンに対して、その磁性状態の解明を行った。その結果、電荷ドープにより、その磁性状態が基底状態の両端での反平行スピンカップリング状態から、キャントした状態が最安定になる事を示した。最後に、上述のようなグラフェンリボンをバルクグラフェンから切り出す際に要する、エネルギーの見積を行い、アームチェア型の端がジグザグ型の端と比較して、水素化、清浄端の何れの場合も安定である事があきらかになった。
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Research Products
(7 results)